新しく触ることになったXiaomi機(MediaTek版・HyperOS)。
電源を入れた瞬間から、使う予定のないアプリがずらりと並んでいて、正直〝うっ〟となった。広告系、他社のプリイン、独自ストア……。普段使いのPOCO X7 Proで一度ADBデバボートをやっていたので、「これ、また消せるやつだ」とすぐ分かったのだけど、肝心のやり方をきれいに忘れていた。
というわけで、AIに相談しながら手順を一から組み直し、最終的に32個のアプリを片付けた。その記録を、自分の備忘も兼ねて残しておく。同じように〝消したいのに消せない〟で困っている人の役に立てば。
⚠️ 先にひとこと。この作業は自己責任で。消してはいけないシステムアプリを消すと不具合が出ます。本記事は
--user 0という元に戻せる安全寄りの方式を使っていますが、それでも「分からないものは触らない」が鉄則です。
なぜ「普通には消せない」のか
プリインのシステムアプリは、アプリ一覧から長押ししても「アンインストール」が出てこない(出ても「無効化」止まり)ことが多い。これを消すには、PCとスマホをUSBでつないで ADB(Android Debug Bridge) というツールから命令を送る必要がある。
今回使ったのはこのコマンド。
adb shell pm uninstall -k --user 0 パッケージ名
--user 0 は「いまのユーザーからアプリを取り除く」という指定で、システム領域そのものには手を付けない。だから、
- 文鎮化(起動不能)のリスクが低い
- あとからコマンド一発で復活できる
- ファクトリーリセットすれば全部戻る
という、いいとこ取りの方式になる。〝消す〟というより〝棚の奥にしまう〟に近いイメージ。
用意するもの
- Windows PC
- USBケーブル(データ通信できるもの)
- Xiaomiのスマホ本体
これだけ。
STEP 1|PCにADBを入れる
「Android SDK Platform Tools」で検索して、公式(developer.android.com)から platform-tools-latest-windows.zip をダウンロード。C:\platform-tools あたりに解凍する。
解凍したフォルダを開いて、アドレスバーに cmd と打ってEnter。そのフォルダの場所でコマンドプロンプトが開くので、PATHを通さなくてもそのまま使える。
adb version
バージョンが表示されれば準備OK。
STEP 2|スマホ側の設定
- 設定 → デバイス情報 → HyperOSバージョン を7回連打して〝開発者〟になる
- 設定 → 追加設定 → 開発者向けオプション を開く
- 次をオンにする
- USBデバッグ
- USB経由でインストール
- USBデバッグ(セキュリティ設定) ← Xiaomi特有。これを忘れると弾かれることがある
USBでPCにつなぎ、接続モードを 「ファイル転送(MTP)」 にしておく。
STEP 3|つながっているか確認
adb devices
初回はスマホ側に「USBデバッグを許可しますか?」と出るので 「常に許可」→ OK。
List of devices attached
xxxxxxxx device
device と出れば成功。unauthorized のときはスマホの許可ダイアログをもう一度確認。
STEP 4|入っているアプリ一覧を出す
消す前に、実機に入っているパッケージ名を必ず確認する。機種やロットで名前が微妙に違うので、ここは横着しないほうがいい。
adb shell pm list packages
miui 関連だけ絞り込みたいときは、
adb shell pm list packages | findstr miui
STEP 5|実際に消していく
ここからが本番。コマンドの型はこれ。
adb shell pm uninstall -k --user 0 パッケージ名
Success と出れば成功。Failure [not installed for 0] は「もう無い」だけなので無視でOK。
そして、ここでひとつ大きなハマりどころに遭遇したのだけど、それは後述する。
実際に消したアプリ一覧(全32個)
おサイフケータイ(FeliCa)・タッチ決済・セキュリティ関連は意図的に残したうえで、最終的にこうなった。
- 削除(アンインストール):29個
- 無効化(disable-user):3個
① 広告・トラッキング・他社プリイン
| アプリ | パッケージ名 | メモ |
|---|---|---|
| MIUIシステム広告(MSA) | com.miui.msa.global |
システム全体の広告 |
| Analytics | com.miui.analytics |
解析・データ送信 |
| GetApps | com.xiaomi.mipicks |
独自アプリストア |
| ロック画面マガジン | com.miui.android.fashiongallery |
壁紙が自動で変わる広告機能 |
| おすすめ/Discover | com.xiaomi.discover |
レコメンド・広告配信 |
| クリーナー | com.miui.cleaner |
広告入り掃除アプリ |
| Facebook常駐① | com.facebook.appmanager |
本体なしでも残る常駐 |
| Facebook常駐② | com.facebook.system |
同上 |
| Facebook常駐③ | com.facebook.services |
同上 |
| Amazon Music | com.amazon.mp3 |
プリイン |
| Amazon常駐 | com.amazon.appmanager |
プリイン |
| moomoo証券 | com.moomoo.trade |
プリインの投資アプリ |
② Xiaomi純正アプリ
| アプリ | パッケージ名 | メモ |
|---|---|---|
| Miブラウザ | com.mi.globalbrowser |
Chromeを既定に変更 |
| Miミュージック | com.miui.player |
|
| Mi動画 | com.miui.videoplayer |
|
| ゲーム | com.xiaomi.glgm |
|
| Miストア(買い物) | com.mi.global.shop |
|
| Miコミュニティ | com.mi.global.bbs |
|
| アプリヴォルト(-1画面) | com.mi.globalminusscreen |
ホーム最左の画面が消える |
| イエローページ | com.miui.yellowpage |
|
| バグレポート | com.miui.bugreport |
|
| WPS Office(Lite) | cn.wps.xiaomi.abroad.lite |
|
| クイックフレーズ | com.miui.phrase |
③ Google系アプリ
| アプリ | パッケージ名 | メモ |
|---|---|---|
| YouTube | com.google.android.youtube |
|
| YT Music | com.google.android.apps.youtube.music |
|
| Google TV(動画) | com.google.android.videos |
|
| Gemini | com.google.android.apps.bard |
パッケージ名は今も “bard” |
| Google Meet | com.google.android.apps.tachyon |
|
| Google Home | com.google.android.apps.chromecast.app |
④ 無効化したアプリ(削除できなかった3つ)
下の3つだけは pm uninstall だと Failure [-1000] というエラーで消せなかった。そこで無効化(disable-user)に切り替えて対応。アプリ一覧・ホームから消えて動作も止まるので、実用上は削除とほぼ同じ。
| アプリ | パッケージ名 | 対応 |
|---|---|---|
| 天気 | com.miui.weather2 |
disable-user |
| メモ | com.miui.notes |
disable-user |
| コンパス | com.miui.compass |
disable-user |
残したもの(ここは触らない)
〝消したい気持ち〟が先走ると、消してはいけないものまで手にかけてしまう。特に次は残すこと。
| 種別 | 例 | 理由 |
|---|---|---|
| おサイフケータイ/FeliCa | com.felicanetworks.mfm.main ほか |
タッチ決済に必須 |
| NFC本体 | com.android.nfc |
|
| Google ウォレット/Pay | com.google.android.apps.walletnfcrel |
|
| 端末を探す | com.xiaomi.finddevice |
紛失・盗難対策 |
| セキュリティ | com.miui.securitycenter ほか |
HyperOSの根幹 |
| 残したGoogle系 | Android Auto / Google One / Chrome | 自分は使うので |
このへんは「名前を見ても意味がわからないものは全部残す」くらいで、ちょうどいい。
ハマったところ(ここが本記事のキモ)
その1|cmdに複数行をペーストしても、2行目以降が実行されない
最初、消したいコマンドを30行ほどまとめてコピペした。すると……最初の1行しか実行されていなかった。画面には全行が文字として流れているのに、結果(Success)は1個だけ。Windowsのコマンドプロンプトに複数行を貼り付けると、改行の扱いの都合で2行目以降がうまくEnter実行されないことがあるらしい。
解決策は、バッチファイル(.bat)にしてしまうこと。platform-tools フォルダで、
notepad debloat.bat
とやってメモ帳を開き、adb shell pm uninstall -k --user 0 ○○ の行を全部貼り付けて保存。最後に pause を1行足しておくと、実行後に画面が止まって結果を確認できる。あとはコマンドプロンプトで debloat.bat と打つだけ。今度は1行ずつ確実に走って、各行の下に結果が出た。気持ちいい。
その2|Failure [-1000] で消せないアプリがある
天気・メモ・コンパスの3つだけ、Failure [-1000](DELETE_FAILED_INTERNAL_ERROR)で削除を拒否された。-k を外して再挑戦してもダメ。HyperOSの一部アプリは --user 0 での削除をブロックするらしい。
ここは無効化に切り替えて回避できた。
adb shell pm disable-user --user 0 com.miui.weather2
adb shell pm disable-user --user 0 com.miui.notes
adb shell pm disable-user --user 0 com.miui.compass
無効化できたかは、
adb shell pm list packages -d
で〝無効化済み一覧〟を表示して確認。3つが並んでいればOK。
完了後にやること(スマホ側)
- 端末を再起動。これで削除・無効化が画面に反映される。
- ホームの残骸を片付ける。消したアプリのアイコンやウィジェットが残っていたら、長押し→「削除」やドラッグで外す。空っぽになったページも編集モードで削除。
com.mi.globalminusscreenを消したので、ホーム最左の-1画面は無くなっている。 - 既定アプリの再設定。設定 → アプリ → 既定のアプリ で、ブラウザをChromeにするなど。
- おサイフケータイ・主要機能の動作確認。タッチ決済・カメラ・電話・Playストアあたりを一度開いて確認。
- USBデバッグをオフに戻す(セキュリティ)。開発者向けオプションのUSBデバッグをオフに。
元に戻したくなったら
削除したアプリは、
adb shell cmd package install-existing パッケージ名
無効化したアプリは、
adb shell pm enable パッケージ名
で復活する。-k を付けて消していたのでデータも残っていて、戻したときもそのまま使える。最悪、ファクトリーリセットすれば全部元通り。
まとめ
- システムアプリは ADB +
pm uninstall -k --user 0で、安全寄りに消せる - 複数コマンドは .batファイルにすると確実
-1000で消せないものはdisable-userで無効化して回避- おサイフケータイ・セキュリティ系は残す
- 困ったら 元に戻せるので、思いきって試せる
プリインを片付けたあとのホーム画面は、本当にスッキリして気持ちがいい。〝自分の道具〟をやっと自分の手に取り戻した感覚、というと大げさだけど、それに近い満足感がある。
OTA(大型アップデート)後に一部のアプリがしれっと復活していることがあるので、そのときはまた debloat.bat を流せばいい。一度作っておけば、次からは数秒で終わる。これも〝育てる道具〟のひとつだ。
※ 本記事の手順は自己責任でお願いします。パッケージ名は機種・地域・ロットで異なる場合があるため、必ず STEP 4 の一覧表示で実機の名前を確認してから実行してください。